「もったいない爺さんとお地蔵様」 | |
昔、川のほとりにのどかな村が有りました。 少し気になるのは家や田んぼが割合低地…。 その村に |
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「もったいない」が口癖のお爺さんが居ました。 毎朝、高台にあるお地蔵様にお参りを欠かしません。 この高台とお地蔵様には”いわれ”が… |
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かつてお殿様が見回りこられた時、 「土地が低くて大水が出ると逃げる場所に困ります」。 「ならば逃げ場所として高台に広場を拵えてやろう。 ワシがしてやれるのはここまで(公助)。後はお前たちで」。そこで 皆で道を作り(自助)、年寄りや体の不自由な人を運びやすいように 工夫(共助)。災害や助け合いを忘れない様に お地蔵様をお祭りしたのでした。 |
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お爺さんは、いつも村人に広場の事、お地蔵様の事、 地震や、大雨、他どんな災いが来ても慌てない様に、 用意、心がけを怠らない様にと… |
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ある晩、お爺さんの夢にお地蔵様が 「ワシの顔が赤くなった時は大変じゃ。高台では間に合わん。 三日の内に少しで遠くへ逃げるように…」 |
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「夢でお告げが有った。お地蔵様の顔がいつ赤くなるか。 これからは皆でかわるがわる番をせねば…」 |
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これを聞いた村の若者、いや馬鹿者がこっそりベンガラを塗って お地蔵様のお顔を赤くしてしまった… |
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お爺さん、ビックリ! 「エライ事じゃ。大急ぎ。皆、逃げねばならんぞ〜」 ところが村人は 「お爺さん、あれは若い連中のイタズラらしい。大丈夫じゃ」 |
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しかしお爺さん 「人間がした事じゃろうが神様・仏様がなさった事じゃろが、 お顔が赤くなったことは間違いない。早う逃げねば」 そこで村あげて… |
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馬鹿者は、逃げて留守になった家で 食い物を盗み集め酒盛り。 「阿呆な奴ら、三日たてば『何事もなかった…』と 戻ってくる顔が楽しみじゃ」 その頃、山では大雨、やがて川に… |
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人間がしたことであれ、 神様仏様がなさったことであれ…、 常日頃より 我々の考えておかなければならないのは… |